2011年12月23日金曜日

うれしいこと

母校の女子美術大学から 大村文子基金女子美制作研究奨励賞を
頂きました。

この賞が決まった時は、うれしかったけど全く実感なかったのですが
昨日授賞式に出席して、深紫の表紙に入った賞状をいただいてじんわり。
素敵な賞を頂くことができたな。とやっと実感しました。

今までの作品制作の様々な場面を思い出し、
あんなこともあったな、こんなこともあったな
と思いかえし、
制作に協力してくれたたくさんの友人、家族の顔が思い浮かびました。

私と私の作品をとりかこむすべての人達の支えがあってこの賞をいただく事ができたのだと
心からそう思って感動しました。

大阪での作品制作。
ひたすら布を切ってくれたたくさんの友人達、
女学校だった芝川ビルに赤い着物を降らせた
「いとはん」作品が完成した時の安堵感。
汚れていた窓をぴかぴかにふいてくれたはまちゃんや
完成までのスケジュールをシビアに管理してくれた弟
この二人は次の年の大阪での作品「ささやきたち」でも
夜遅くまでかじかむ手でひたすらにオブジェを結び バランスを調節してくれました。
古い慣れない建物の中で北風がガタガタと窓をゆらしている夜中に
一人で作業をしたのは本当に怖かった。
だけど完成した作品のなかで、ずーっと正座して作品を眺めていたお客さんの姿は本当にうれしかった。
この時はじめて作品の家の前に鑑賞者が列をつくって並んでくれた。

代官山インスタレーション「うつしかがみ」の時はたくさんの人が鏡を集めてくれた
アトリエの庭でひたすら鏡を削る作業。
鏡を高い木の枝から吊るすのに、
ゆうたや藍ちゃんをはじめとした何人かで
釣り竿を使って不思議で楽しい設置風景だった。
晴れると鏡に太陽が反射して、森の中をきらきらと囲んだ。
うれしい景色だった。

越後妻有のうかのめ作品は、これまたここに書ききれない程のたくさんの方々の協力があってできた作品。
空き家に残っている物の撤去や雪囲いからはじまり、
柱を移動させたり、床を補修したり、はがしたり。壁をぬったりはったり、ほこりまみれの真っ黒になりながらハードな肉体労働を手伝ってくれた浅野くん工藤くん和田くんタカネをはじめとするたくさん の友人達には、本当に感謝してもしきれないくらい。
お米の糸作りをひたすらサポートしてくれた吉田親子、母親
見守ってくれた池沢集落のみなさん。
お米の糸をひたすら設置作業をしてくれた、みほちゃんやすーさん
学生時代からのたくさんの友達
香港からきたサポーターの学生さん達もいつも明るく手伝ってくれた。
滞在場所やなにからなにまでめんどうをみてくださったヒーローのような石口さん。
暗闇に白いお米がぼんやりと静かにうかび上がった。
お米の雨に囲まれた時に心静まる空気。お米の香り。
雨の日晴れの日、霧の日。
すべてを思い出すと胸がつまる。


これ以外にもたくさんたくさん作品があって、
大磯のとらがあめ作品、茅ヶ崎やINAXギャラリーのカケラ作品、
高田の花ロードでの作品、などなどなど。
それぞれにはたくさんのたくさんのストーリーがあって
たくさんの協力してくれた人がいて
たくさんの見てくれた人がいる。

これらの作品を通して今の私があってこれからの私がある。
歩みを止めずこれからも心にあたたかく残る作品を作り続けたいと
心に強く思う。